【実家相続】相続税が払えない…その時、何か起こるのか？
2025年07月28日 15:54
「もう少し早く動いていれば…」
そう後悔しても、時間は巻き戻せません。
これは、ある60代の女性が実際に体験したお話です。
ご主人を亡くし、思いがけず不動産と少しの預金を相続することになった彼女。
家族で住んでいた古い一軒家と、遠方にある空き家。
評価額はそれなりにありましたが、手元に残った現金は200万円。
しかし、届いた相続税の通知には「納付額：370万円」と──。
「こんなの、どうやって払えばいいの？」
それが、彼女の正直な気持ちでした。
相続税は、“原則として現金で一括納付”しなければなりません。
そしてその期限は、被相続人が亡くなった日から10ヶ月以内。
延ばしてもらえるわけではなく、払えなければ延滞税が発生します。
この時点で、すでに「待ったなし」の状態だったのです。
「家を売ればいいんじゃない？」
「土地があるなら、何とかなるでしょ？」
そう思われる方もいるかもしれません。
でも現実は──不動産はそう簡単には売れません。
売り出す準備、査定、仲介依頼、価格調整、内見対応、買主との交渉…
一つひとつに時間がかかります。
実際、買い手が見つかるまでに半年以上かかった人も珍しくありません。
そしてその間にも、相続税の納付期限はどんどん迫ってくる。
彼女は慌てて不動産会社に相談しましたが、
「売るなら時間をかけて相場で売りましょう」と言われるばかり。
結局、売れる前に納付期限が過ぎ、延滞税が発生。
納税のために借り入れを余儀なくされました。
あとで彼女が何度も口にした言葉があります。
「あの時、もっと早く売却の相談をしていれば──
そうすれば、延滞税なんて払わなくてよかったのに…」
もし今、相続で不動産を引き継いだ方へ。
それが空き家でも、共有名義でも、まだ売る気がなかったとしても──
“相続税”という現金負担は、想像以上に早く・重くのしかかってきます。
そして、「売るタイミング」を間違えると、大切な資産が“負担”に変わるのです。
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