
【実家相続】「住みたい姉」と「売りたい弟」──平穏だった関係に亀裂が走った日
2025年07月12日 16:57
「ずっと仲のいい姉弟だったんです。
でも、実家の相続をきっかけに、もう何ヶ月も口をきいていません」
そう語るのは、40代の男性・杉本さん(仮名)。
両親が亡くなり、築40年の実家を姉と2人で相続することになったのは昨年のことでした。
兄弟仲は良好。法的な手続きも問題なく終わるだろうと、杉本さんは楽観的に考えていたといいます。
しかし──
その「温度差」に気づいたのは、葬儀からしばらく経ったある日のことでした。
「私、この家に住みたい」
姉がそう口にした瞬間、空気が変わりました。
実家は都内近郊、最寄り駅から徒歩15分の戸建て。
空き家にしておくより、売却して現金化するのが合理的だと杉本さんは考えていました。
「売れば、今ならそれなりの価格になる。
姉にも現金を渡せるし、僕も住宅ローンを早く返したかったんです」
けれど、姉の想いは違いました。
独身で、職場も近い。
両親と一緒に過ごしたこの家には、愛着もある。
「住めば生活コストも下がるし、思い出も守れる」
そう話す姉に対し、杉本さんはどう返せばいいか分かりませんでした。
問題は、「住みたい人」と「お金がほしい人」が、どちらも“正しい”ということ。
感情で訴える姉に、
「そんなの非現実的だよ」と理屈で返した自分。
売ればすぐに現金が手に入る。
でも、それは姉にとって、両親との記憶を切り離すことでもありました。
気づけば、LINEも電話も途絶え、
親族の集まりも避けるようになり──
ついには、「調停を検討している」と姉から連絡が届いたのです。
相続の場では、「感情」と「現実」がぶつかる場面が少なくありません。
特に多いのが、「住みたい人」と「売りたい人」の対立。
• 感情を重視する人は「思い出を守りたい」
• 現実を重視する人は「お金を平等に分けたい」
この2つが交わらないまま話し合いを続けると、兄弟関係が壊れてしまうこともあるのです。
しかも、不動産の相続では全員の合意が必要。
どちらか一方が納得しなければ、売却も賃貸も進められません。
杉本さんはこう振り返ります。
「たぶん、どっちが正しいとかじゃないんです。
お互い、想いがあった。
でも、それを冷静にすり合わせる“場所”や“人”がいなかった」
そして今、実家は放置されたまま、老朽化が進んでいます。
「売るにしても、修繕費が余計にかかるかもしれない。
あのとき、第三者に間に入ってもらっていれば──って思います」
あなたのご家族にも、こんな“すれ違いの火種”はありませんか?
「兄弟仲はいいから大丈夫」
そう思っていても、相続をきっかけに関係が壊れることは、実際にあるのです。
大切なのは、感情が絡む前に、第三者へ相談すること。
もし今、話し合いが止まっているなら、まずは“感情の交通整理”から始めましょう。
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