
【実家相続】「売ろう」と言った僕と、「まだ手放したくない」と言った妹
2025年07月11日 18:57
妹と口をきかなくなって、もう3年になります。
正直、こんなふうになるとは思っていませんでした。
60歳。
定年を迎えて少し落ち着いたころ、母が亡くなって──
兄妹ふたりに残されたのが、実家でした。
築50年を超える古い木造住宅。
誰も住んでおらず、毎年固定資産税と草刈り費用がかかる空き家。
僕は「そろそろ整理しよう」と思ったんです。
このまま置いていても、誰も使わないし、傷むだけだから。
売って現金にして、妹と分けるのが一番だろう、と。
そう、軽い気持ちで妹に言いました。
「そろそろ実家、売ろうか?」
返ってきた言葉は、思っていたものとは違いました。
「売るなんて…ちょっと待ってよ」
「私にとっては“お母さんとの思い出の場所”なんだから」
「もう少し、考えさせてくれない?」
そのときは「まあ、気持ちはわかる」と思って、無理には言いませんでした。
でも、それから数ヶ月経っても、妹の気持ちは変わらず。
「いつか使うかもしれないから」
「子どもが住むかもしれないし…」
……でもね、その“いつか”が来る保証なんて、どこにもない。
現実には、家は誰も住んでいません。
管理は僕がやっている。
草刈りも、通風も、修繕も、そして税金の支払いも。
妹は、「お金は出せないけど、手放したくない」の一点張り。
だからといって、勝手に売ることはできない。
なぜなら、実家は共有名義にしてしまっているから。
つまり、妹の同意がなければ、売ることも貸すことも、何もできない。
月日が経ち、家はどんどん傷んでいきました。
壁にヒビが入り、郵便受けにはチラシが山積み。
近所の方から「空き家ですよね、防犯が心配です」と声をかけられたこともありました。
それでも妹は、何も動かない。
そして、僕ももう、何も言わなくなった。
話すたびにギクシャクするくらいなら、沈黙のほうがマシだ。
そう思って、連絡も取らなくなりました。
思い返せば、
「売ろう」と言った僕の言葉が、あのときは冷たく聞こえたのかもしれません。
でも、家って、気持ちだけでは守れないんです。
現実に、維持するにはお金がかかるし、時間も手間も必要です。
いま思うのは、
あのとき、第三者に入ってもらって話せばよかったのかもしれない、ということ。
家族同士だと、遠慮もあって、感情もあって、
素直な本音がぶつかり合ってしまうんです。
これを読んでいるあなたのご実家は、どうですか?
もし、誰も住んでいない実家が共有名義のままになっているなら──
うちと同じようになる可能性は、正直、あると思います。
後悔してからでは、取り返しがつかないこともある。
だから、できるだけ早い段階で、冷静に、客観的に、話し合うことが大切なんだと痛感しています。
そのためにも、家族じゃない“第三者”に話してみることは、きっと悪いことじゃありません。
もし今、誰にも相談できずに困っているなら、
ここで話してみてください。匿名でも大丈夫です。
僕のように、「話すことすらできなくなる前に」。
📩 LINEで匿名相談 ▶︎ https://kaitorihouse.com/